冬のガーデンシクラメンの花たち

 画像の小さなシクラメンはガーデンシクラメンシクラメンとの違いはサイズと耐寒性。ガーデンシクラメンシクラメンの半分以下の大きさで、寒さに強く、冬の屋外でも大丈夫。大きなシクラメンの方は冬には室内で育てる必要があります。小柄のシクラメンを「ミニシクラメン」とも呼びますが、ガーデンシクラメンとのはっきりした区別はないようです。そもそもミニシクラメンの中で寒さに強い品種を選び、「ガーデンシクラメン」として売り出したからです。

 地表近くで花を咲かせ、寒風の中で元気なガーデンシクラメンを見ると、「シクラメンのかほり」の中のシクラメンとはまるで違うシクラメンの姿で、その違いに今更ながら驚きます。シクラメンの最初の和名は「ブタノマンジュウ(豚の饅頭)」。シクラメンの球根は饅頭を潰した形で、豚や猪がその球根を掘り出して食べるため、ヨーロッパでは「豚のパン」。それが訳されて「ブタノマンジュウ(豚の饅頭)」で、「シクラメンのかほり」とは随分違います。二つ目の「カガリビバナ」は「篝火花」。九条武子がかがり火のようだと言ったので、牧野富太郎が「カガリビバナ(篝火花)」とつけまた。

 「シクラメンのかほり」は小椋佳がつくり、布施明が歌ったのですが、その頃のシクラメンは随分と大柄な植物でした。シクラメンが「ブタノマンジュウ」だったなら、「シクラメンのかほり」の歌詞は随分と違ったものになったどころか、歌詞そのものが書かれなかった筈です。