石榴五句

 「柘榴の花、花石榴」は柘榴の花が6、7月に咲くため夏の季語ですが、「柘榴」は秋の季語です。私の柘榴の記憶は今でも鮮明で、その花、実、そして実の味もよく憶えています。私の記憶の断片は次のような俳句で表現できます。

 

高浜年尾 柘榴の実噛めば思い出遥かなり

会津八一 暑き日の暮れかかりたる柘榴かな

正岡子規 口あけて柘榴のたるる軒端哉

西島麦南 熟れそめて細枝のしなふ柘榴かな

飯田龍太 刻々と緋を溜めてゐる柘榴の実