ニワゼキショウの花

 アヤメ科ニワゼキショウ属のニワゼキショウ(庭石菖)は今あちこちで咲いているが、その花はとても小さい。芝生や草地などに群生し、花期は5月から6月。直径5₋6mm程度の小さな花で、近眼の私は地面に顔を近づけなければならないし、近づきすぎると老眼でぼやけてしまう。何とも情けないのだが、自分の眼や年齢を直接的に気づかせてくれる。花弁は6枚、花色は白と赤紫(画像)。遺伝的には白が優性、赤紫が劣性。中央部はどちらの花色も黄色。受精すると、花は一日でしぼむ。

 日本に普通みられるニワゼキショウは、テキサスを中心に分布する多型的な種で、明治時代に観賞用として輸入された。日本で野生化したのではなく、本来雑草だったものが帰化したものである。ニワゼキショウサトイモ科のセキショウ(石菖)に葉が似ていることからその名がつけられたようだが、もちろんショウブ属のセキショウとは違う種である。