ツクシ、つまりスギナの胞子茎

 スギナ(杉菜)は、トクサ科トクサ属のシダ植物で、春先に出る「胞子茎」はツクシ(土筆)と呼ばれます。子供の頃ツクシを採った思い出が蘇ってきます。ツクシは、スギナにくっついて出ることから「付く子」、袴の部分で継いでいるように見えることから「継ぐ子」となったと言われています。また、ツクシ は土から出てきた胞子茎が伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており、その形状が「筆」に似ていることから、「土筆」という字が当てられたと考えられています。いずれであれ、ツクシは何ともかわいい形をしています。

 スギナは胞子とともに地下茎でも繁殖します。春に胞子茎を出し、それが枯れると、光合成を行う栄養茎が伸びてきます。栄養茎は節で枝分かれし、内部は中空。私たちが見ているスギナは、実はこの枝分かれした茎であり、葉は退化しています。袴の部分が葉です。

 ツクシの胞子の入った袋は胞子嚢と呼ばれ、それをつける茎が胞子茎で、花が咲く植物では花茎にあたります(シダ植物は胞子、種子植物は種子で殖える)。スギナが春先に出す生殖用の茎(生殖茎/胞子茎)がツクシで、スギナの方は栄養茎です(最後の画像)。そのためなのか、ツクシの明瞭な記憶に比べると、スギナはぼんやりしたままです。

f:id:huukyou:20220408051555j:plain

f:id:huukyou:20220408051615j:plain

f:id:huukyou:20220408051634j:plain