ヒガンバナ（彼岸花）は曼珠沙華（マンジュシャゲ）とも呼ばれ、湾岸地域では今年もその花をあちこちで見ることができる。ヒガンバナは中国原産で、日本中の道端や田んぼのあぜなどに群生し、秋の彼岸の頃に花茎の先に強く反り返った鮮やかな花だけが咲く。曼珠沙華は歌にも歌われているが、サンスクリット語で「赤い花」、「葉に先立って赤花を咲かせる」という意味がある。また、釈迦が法華経を説いた際に、これを祝して天から降った花の一つが曼珠沙華である。
ヒガンバナは園芸店では「リコリス」と呼ばれ、様々な種類がある。一般的にヒガンバナと言うとリコリス・ラディアータ（Lycoris radiata）という赤い花で、シロバナヒガンバナ（白花彼岸花、リコリス・アルビフローラ）はラディアータとショウキラン（ショウキズイセン）という黄色の花を咲かせるヒガンバナの交雑種と言われている（画像）。シロバナヒガンバナは株により花の色に差があり、黄色みを帯びたものや赤みを帯びたものなどがある。ショウキランは種子ができるが、シロイロヒガンバナは普通のヒガンバナと同じく3倍体のため種子はできず、分球によって増殖する。
ヒガンバナは全草にアルカロイド系の有毒成分を持っていて、球根に多く含まれている。
