エンジェルストランペット(Angel's Trumpet)

 エンジェル(ス)トランペットはナス科キダチチョウセンアサガオ属の低木または高木で、園芸名。エンジェルストランペットは品種によっては夜間、花が香る。熱帯植物だが、寒さには比較的強く、庭植えにして大株にすると、たくさんの花が咲く。和名がキダチチョウセンアサガオと呼ばれるこの花は、下向きに垂れ下がった鮮やかな花が特徴で、オレンジ色、黄色、白色、淡紅色など種類があり、その名の通り美しいラッパ状の花は印象的。湾岸地域でもあちこちで見ることができる。

 だが、この植物には「庭師の散瞳(gardener's mydriasis、散瞳=瞳孔の拡大)」という異名があり、視力低下や幻覚などを招く毒を含んだ植物。エンジェルストランペットは、江戸時代に日本に渡来して麻酔薬として活用される一方、マンダラゲやキチガイナスビとも呼ばれ、口にすれば錯乱状態に陥ることで知られていた(上向きに花をつける)チョウセンアサガオの近縁種で、よく混同された。この二種は、花姿も毒性もよく似ている。かつてはキダチチョウセンアサガオ属がチョウセンアサガオ属から独立していなかったが、現在は別属。

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