夏の夜に涼やかに一晩だけ咲くのがツキミソウ(月見草)。花びらは咲き始めが白色、朝を迎える頃に淡いピンク色に色づく。太宰治が「富士には、月見草がよく似合ふ」と書いた月見草は黄色で、それはきっと待宵草(マツヨイクサ)のこと。「待てど暮らせど来ぬ人を」の歌い出しで愛唱される「宵待草(よいまちぐさ)」は、竹久夢二の抒情歌で、待宵草のこと。何ともややこしく、混線すること必定である。
さて、肝心のヒルザキツキミソウは、アカバナ科マツヨイグサ属の多年生植物。北米、メキシコ原産の帰化植物で、観賞用として輸入・栽培されていたものが野生化している。名称の由来は、宵に咲くツキミソウと違って、昼間にも開花しているため。「昼に咲く、月見草」は「円い三角形」に似た表現で、少々気になるが、夕方以降にも咲いているのを見るので、我慢するとしよう。初夏から夏にかけて咲く。画像のようにピンク色のやや大きめの花びらが印象的。詳しければよいというものではないが、「昼咲桃色月見草(ひるざきももいろつきみそう)」とも呼ばれる。