2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

アウグスティヌスの時間(6)

日常生活では時間を使って運動を測る。では、時間は、どのようにして測られるのか。アリストテレスは運動を使って時間を測ると考えたが、アウグスティヌスは時間を心の延長として捉え、心の内で時間が測られると考えた。彼は、過去、現在、未来がそれぞれ存…

エゴノキの実

エゴノキはエゴノキ科の落葉小高木で、庭木や公園樹として人気があり、日本全国の雑木林に多く見られる。湾岸地域にもあちこちにエゴノキが植えられている。その名前は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことに由来する 実は長さ2cmほどの…

アウグスティヌスの時間(5)

過去と未来が存在せず、現在だけが存在すること(=現在主義) 時間は普通、現在、過去、未来に分けられます。でも、アウグスティヌスは現在のみが存在すると考えています。これはどういう意味なのでしょうか。アウグスティヌスにとって、現在の時点が過去に…

ブーゲンビリアの花

ブーゲンビリアはオシロイバナ科ブーゲンビリア属の熱帯性の低木。初夏と秋に、ピンクや紫などの色鮮やかな花を咲かせる(画像は今咲いている花)。原産地は、中央アメリカや南アメリカの熱帯雨林。花の色は赤から白まで変化に富み、ピンクやマゼンタ、紫、…

アウグスティヌスの時間(4)

次のような質問をアウグスティヌスにしたなら、彼はどのように答えるだろうか。 (1)天体の運動、ろくろの回転だけでなく、世界のすべての運動が止まった場合、私たちは時間について語ることができるのか。 (2)世界のすべての運動変化の速度が同じように…

アメリカオニアザミ(セイヨウオニアザミ)

そこにあるだけで目立ち、嫌われるのだが、それでもアザミの可愛さが感じられるのがアメリカオニアザミで、キク科アザミ属。厄介者の外来種で、「アメリカ」とあるが、ヨーロッパ原産である。 ヨーロッパ原産だが、1960年代にアメリカから輸入された穀物に混…

アウグスティヌスの時間(3)

<アリストテレスの時間論との比較> アウグスティヌスは「時間とは何か」と問い、答えを出そうと試みる。同じ問いに対し、「時間は物体の運動である」と先に答えていたのがアリストテレス。彼の時間論と比較し、そして「天体の運動=時間」の否定についてア…

二つの慧可断臂図

「武帝は527年達磨を招聘し、金陵(現在の南京)で相見した。その際の「達磨廓然の話」は『碧厳録』の第一則。善行に報い(功徳)はなく、何が功徳かは人には判断できない。「聖諦第一義(仏教の根本真実・最上最高の真理)」は「廓然無聖(中は何もなく、廓…

クモの巣と隠れ帯

「クモが出すのは糸、クモがつくるのは巣、クモがかけるのは網」というのが常識的な言葉遣いなのだろうが、日常生活で私たちはクモの糸、巣、網を律義に使い分けているだろうか。クモが嫌いな私など「クモの巣」ですべて済ませてきたような気がしてならない…

アウグスティヌスの時間(2)

アウグスティヌスは『告白』で「時間の非実在」を主張する。過ぎ行く時間の彼方に無時間的に成立している完全なる全体、「神の永遠」が実在すると主張する。神には時間の流れは実在せず、それは心をもつ人間に主観的に存在するに過ぎない(つまり、時間の流…

達磨:第一義と不識

『碧巌録』第一則、『従容録』第二則の公案は大変有名で、「第一義」、「不識」が登場します。武帝との問答は「達磨廓然無聖」と呼ばれ、それを中村不折が1914年に描いています。『碧巌録』の著者は雪竇重顕と圜悟克勤の二人の禅僧。最初の公案を覗いてみま…

ヘビイチゴ、そして次はナワシロイチゴ

今の食用イチゴはどれもとてもおいしいが、昔と変わらないのがヘビイチゴやナワシロイチゴのような野生のイチゴ。ヘビイチゴ(蛇苺)の別名は毒イチゴ。但し、毒はない。日本全土に分布し、花の柄は4~7㎝で、茎は地面を張って大きな株になる。実が熟すのは6…