2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

コミックマーケット(Comic Market、コミケ)

今年もコミケが終わった。同人誌の即売会で毎年8月と12月の年2回、東京ビッグサイトで開催される。今年の開催期間は4日間に延びた。そのため、『コミケ96』は『コミケ84』(2013年夏コミ)の来場者59万人を超えるかどうか注目されていた。『コミケ96』の来場…

忘れることの認識論(?)

私のように70歳を越えると、「知る」こと以上に「忘れる」ことが気になる。というのも、人やものの名前を始終忘れるからである。何かを忘れたことに気づくと、それを思い出そうとする。「忘れ、気づき、思い出す」という一連の作業を繰り返すことが毎日の仕…

アレチハナガサ

湾岸地域の空き地や路傍でいつもお目にかかる雑草がヤナギハナガサなのかアレチハナガサなのか、なかなか判定できず、そのままになっていた。それが決着したのは茎の中。茎が中実だとアレチハナガサ、中空だとヤナギハナガサという記述を見つけたのだ。その…

ザクロ

子供の頃、我が家の近くの家に大きなザクロの木があり、秋口には幾つもザクロの実がついていた。何度もその実を食べたことがあるのだが、珍しいだけでなく、甘酸っぱい味とプチプチと種を出すのが面白く、私の中では特別の果物という地位を占めていた。 ザク…

お盆と仏教

お盆の想い出は故郷の想い出の重要な一つです。子供にとっては不思議な数日間です。この世とあの世がつながるお盆とはそもそも何なのか、そんなことを考えたくなるのも、不思議な数日間の記憶をもつ人には不思議なことではありません。 『盂蘭盆経(うらぼん…

哲学の未解決問題(5)

スーパータスク(超越課題、Supertask、自然) SFに登場するような大袈裟な名前のスーパータスクとは、「有限の時間間隔の中で無限の操作を行う課題」を指しています。私たちは有限時間内で有限数の操作しか実行できません。それが普通の人間的なタスクであ…

ヒマワリ

春がサクラなら、夏はヒマワリ(向日葵)で、そのヒマワリはキク科の一年草。原産地は北アメリカ。昔からインディアンの食用作物だった。16世紀初頭にスペイン人がヒマワリの種を持ち帰り、マドリッドの植物園で栽培を開始した。ヒマワリがスペインから持ち…

哲学の未解決問題(4)

自由意志と決定論 自由意志(free will)は形而上学、心の哲学、行為の哲学、倫理学の主題になると同時に、決定論とどのような関係にあるかが長年大きな議論を引き起こしてきました。実際、その解答内容が倫理的な影響力をもち、私たちの義務や権利、自我概…

「最後の審判」と「イケメン偉人空想絵巻」

「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」と燕市国上寺の「イケメン偉人空想絵巻」がニュースになっています。ここではえちごのニュースを考えてみましょう。 作品が芸術以外の目的で展示されないことはよくあることで、その代表例はポルノ…

ソライロアサガオ

一度ゆっくりアサガオたちを知り、アサガオたちにこだわってみたいと思っているのだが、いつもその前にアサガオが咲いてしまっている。 アサガオはヒルガオ科の植物で、遣唐使が中国から種子を薬とするために持ち込まれ、その後園芸植物となった。アサガオの…

哲学の未解決問題(3)

「帰納法は何か」という問題はほぼ解決した問題で、それは実は何でもなかったものを問題にしていただけで、確率や統計の問題として捉え直され、帰納法の問題に対してそれなりのある程度満足できる解答がなされてきました。その経緯を垣間見てみましょう。 帰…

カラスウリ

夏の夜に花弁の縁が糸状に長く伸びる花姿は尋常でない光景。蕾の時は折りたたまれている花弁が、短時間で完全に開き切り、しかも「糸」が伸びるが如くに広がり、絡まることはありません。開花は夜に始まり、翌朝には萎れます。白い花は月の光の下でもよく目…

哲学の未解決問題(2)

次の問題も解くことができるかどうか定かではない問題です。最初から「機械は考えるか」を一心不乱に解こうとしても決してうまくいきません。「考える」とはとても人間的なことで、それゆえ重要なことだとわかってはいたのですが、それが具体的にどのような…

ホオズキ

ホオズキ(鬼灯、鬼燈)は、ナス科ホオズキ属の多年草、またはその果実のこと。何とも厳めしい漢字である。淡い黄色の花を6月から7月頃に咲かせ、この時期に合わせて「ほおずき市」が開催される。7月初旬に開かれる浅草寺のものは江戸時代から続いていて、「…

哲学の未解決問題(1)

まず、哲学の未解決問題は物理学の未解決問題とも政治の未解決問題とも違うものだということから話を始めましょう。どんな問題も解決されるために存在するというのが、個別科学での問題の在り方なのでしょうが、それでは余りに月並みでつまらないというのが…

キキョウの変貌

キキョウは6月から開花する夏の花だが、「秋の七草」の一つになってきた。漢名の「桔梗」を音読みしたら「ききょう」で、花の色は紫、青または白。その清楚な姿や色から武士たちに好まれたようで、家紋に取り入れられたり、江戸城には「ききょうの間」や「桔…

右京さんの正義

『相棒』は未だに人気のテレビドラマ。杉下右京さんは集団、共同体、国家といった組織の安泰より正義を優先する孤高の一匹狼。高倉健が人情ではなく義理のために戦うように、右京さんは警察組織の存続維持などより、あくまで正義を優先し、そのために行動す…

ボケの実

ボケ(木瓜)は、バラ科ボケ属の落葉低木で、赤やピンク、そして白の花は私が好きな花の一つ。実が瓜に似ていて、木になる瓜で木瓜と呼ばれ、「ぼけ」に転訛したとも言われる。ボケ属は日本原産のクサボケ、中国のマボケ、そしてボケの三種からなる。多くの…

フヨウ

気がつけば、フヨウ(芙蓉)が咲き出している。真夏の花だと思っていたのだが、確かに今は真夏で、花に季節を教えられた感がある。この暑さの中で元気に咲き出した。 フヨウはアオイ科フヨウ属の落葉低木。夏に直径10-15cm程度のピンクや白の花をつける。朝…

母性や父性:わかったようでわからない区別

本能的、生得的なのは父性的なものより母性的なもので、マリア様から観音様までどうも宗教の世界でも母性的な方が圧倒的に好まれるようです。となると、獲得的、学習的なのが父性であり、知識や技術は父性的なイメージで受け取られてきたと言いたくなります…

バーベナ

バーベナ(Verbena)はクマツヅラ科クマツヅラ属の総称。約250種の一年草および多年草が含まれる。普通はヴァーベナと表記されるが、ビジョザクラ(美女桜)と呼ばれる場合もある。その名前は桜のような小花が集まって咲く姿に由来する。 バーベナには主に南…

ジニア(あるいはヒャクニチソウ)

ジニアは、キク科ヒャクニチソウ属の一年草。何日か前にヒャクニチソウ(百日草)として紹介した。百日草だと私には供花なのだが、ジニアと言われるとまるでその印象は違ってしまう。言葉とは恐ろしいものである。ジニアの原産地はメキシコや南北アメリカ。…

葦と人のかかわり

妙高池の平のいもり池にはヨシ原があります。ヨシ(葦)は、関東では「アシ」、関西では「ヨシ」と対照的な名前をもつイネ科の多年草です。水辺の植物ではもっとも背が高く、5メートルもの背丈に成長します。ヨシは古くから世界中の人々に親しまれてきました…

ぼんやりした不安の出どころ

高原の湿地や湿原は変化が早い。その風景のスピーディな変貌はおぼろげに予想できても、実際のスピードは変幻自在で、ある時忽然と姿を消してしまっても何ら不思議はない。不安定な湿原は安定した深海に比べると、その変容、変化の量も質もまるで大違い。例…

童謡「赤とんぼ」について

三木露風作詞の「赤とんぼ」について二つ気になることがあります。 最初は露風の「赤とんぼ」の歌詞。両親の離婚で祖父母に引き取られ、寂しい子供時代を過ごした露風の気持ち、子供心が浮かび上がり、妙に迫ってくる歌詞なのです。 夕焼け小焼けの 赤とんぼ…

夏のダリア

夏になればダリア、ダリアは夏らしい花の代表格。画像のようにダリアを撮ることには少々抵抗感がある。ダリアの花自体をはっきり見ることによって、ダリアを知ろうという魂胆が見え過ぎで、ダリアに失礼な気がして、心苦しいのである。とはいえ、人はそんな…

ガマ(蒲)

ガマはガマ科ガマ属の多年草の抽水植物(比較的浅い水中に生え、根は水底の土壌の中にあり、葉や茎が水面から出ている植物で、アシ、コウホネ、スイレン、ハスなどもその仲間)。円柱状の穂が「蒲の穂」である。ソーセージのような形をした不思議なガマの穂…