2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

榊原政令の功績

上越市では今でも上杉謙信は地元の大英雄であり、比類なき人物ということになっている。高田藩は榊原家の藩として明治を迎えることになった。榊原藩の藩政は堅実で、高田藩は豊かな藩に生まれ変わっていた。妙高絡みでは赤倉温泉の開発があり、それは日本初…

リョウブ

リョウブ(令法)はリョウブ科の落葉小高木で、今は庭木としても植えられる。昔、飢饉に備え、若葉を食料にするため、令法(りょうぼう)によって植えさせたのが名前の由来。別名の畑積り(ハタツモリ)も事前に収穫量を見積もって植えたことに由来する。平…

論文や資料、報告などから見えてくるライチョウと私たち

私が子供の頃はライチョウは富山や長野の話題で、妙高では誰も知らず、そのため当時の私たちにはライチョウは遠くの存在でした。でも、今では火打山にライチョウが棲息することが確認され、妙高ではライチョウ会議まで開かれました。そのため、ライチョウの…

ブラックベリー

ブラックベリー(Blackberry)はバラ科キイチゴ属。ブルーベリーと比べて果汁が多く、ずっと大きな実をつけるのがブラックベリー。丈夫で育てやすいブラックベリーはほとんど無農薬でつくれ、スペースさえあれば楽しめる。果実は酸味の強いものと、比較的少…

格差と選択、そして浮動

最近は「格差」という言葉をよく聞きます。これまでは人種的、地域的な格差がほとんどだったのですが、近年は経済的な格差も同じように話題になっていて、その格差の拡大が世界中で進行していて、それが資本主義の悪しき特徴と言われています。この「格差」…

ブロワリア

ブロワリア(植物学者の名前)の別名はタイワンルリマガリバナで、二つの名前の落差に驚く。ナス科で原産地は中央アメリカ~南アメリカ。今頃から秋に涼しげな青紫色、白色の花を咲かせる。一見すると、ペチュニアによく似た花である。葉脈のはっきりした葉…

オシロイバナ

オシロイバナ(白粉花、白粧花)はオシロイバナ科の多年草または一年草。メキシコ原産で江戸時代始めごろに渡来。美しい花のため観賞用に栽培されるが、今では広く野生化している。開花時期は、 6月末から10月末頃。「お寺の鐘」のような形の、熟した黒いタ…

図書館のテキスト

本に対する桁外れの興味をもち、並みはずれた知識をもつ人たちは「書痴」と呼ばれてきた。彼らは音痴と違って、音に鈍感なのではなく、書物に異様に敏感なのである。彼らは本そのものにマニヤックなのだが、そのポピュラーな姿は古書マニア、古本コレクター…

良寛とフレディ

良寛が人々の注目を浴びだすのは、大正期の中ごろ以降です。それには相馬御風の一連の著作が大きな役割を果たしました。糸魚川出身の御風は早稲田大学で新潟出身の会津八一と同期で、坪内逍遙、島村抱月らに薫陶を受け、その良寛論は良寛を生き返らせ、自我…

ボケの実

ボケ(木瓜)は、バラ科ボケ属の落葉低木。瓜に似た果実から、木になる瓜で「木瓜(もけ)」と呼ばれ、それが「ぼけ」に転訛した、あるいは「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したとも言われる。ボケは、庭木や盆栽として人気があり、200を超える品種が…

良寛の転向、あるいは禅宗から詩歌へ

良寛の生家は代々神職かつ村落の長。彼は経済的にも恵まれた家に育ち、そして、十分過ぎる教育を受け、抜群の学才を発揮した。18歳で名主見習いとなるが、生来の人の良さが仇となり、うまくいかない。何が青春の蹉跌になったか定かではないが、地元の曹洞宗…

エゴノキとヒトツバタゴの実

エゴノキはエゴノキ科の落葉小高木。日本全国の雑木林に多く見られ、今では公園や庭の樹木としても人気が高い。果皮には、10%ものエゴサポニンが含まれ、果実をかじると「エゴイ、エグ味」を感じることが和名の由来。万葉集にも「ちさ」の名で登場している…

ムクゲ

ムクゲは見る場所や時間によって印象が大きく変わる。とても日本的で、茶席に合うかと思えば、韓国の国花であり、ハイビスカスとなれば異国の夏。それぞれに日本的、東洋的、そして世界的と形容して何らおかしくない。かつて、ヨーロッパで植物園がつくられ…

俳句二句とふるさと度

「煮炊きする落葉はいつでも風が運んでくれる。そんな自然まかせの暮らしに満足」というのが次の二句の意味だろう。 焚くほどは風がもてくる落ち葉かな(良寛)焚くほどは風がくれたる落ち葉かな(一茶) 良寛は出雲崎、一茶は柏原(今の黒姫)となると、妙…

ヘメロカリス

ヘメロカリスはユリ科の多年草で、ニッコウキスゲ、ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ユウスゲなどがこの仲間の野性種として知られている。ヘメロカリスという聞き慣れない名前は品種改良された園芸品種を指す。「ヘメロカリス」はギリシャ語で「一日の美」のこと…

ハマボウ

ハマボウ(浜朴、黄槿)は、アオイ科の落葉低木。西日本から内湾の海岸に自生する塩生植物である。夏の今頃に黄色の花を咲かせる。直径7cm程度の、中心が赤褐色の黄色い花が咲く。花の形態は同属のハイビスカス、ムクゲ、フヨウ等に似ている。花は1日でしぼ…

えちごの良寛の宗派は禅宗、それとも浄土真宗?

良寛は禅僧なのにその和歌には念仏がよく登場します。 良寛に 辞世あるかと 人問わば 南無阿弥陀仏と 言ふと答えよ 草の庵(いお)に 寝ても覚めても 申すこと 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 何が共通点かと探すなら、禅宗も浄土真宗も経典を丁寧に読みながら、…

ノリウツギ ミナヅキ

アジサイの終わりは少々惨めな気持ちになるのですが、ノリウツギはそのアジサイの仲間。でも、円錐形の花序(花房)をもつため、開花時の趣は一般のアジサイとは異なります。開花期もアジサイより遅く、今咲き始めたところで、花の少ない夏にはありがたい植…

ガラパゴス諸島、京都、そして妙高

(自然と歴史・文化とはいずれが強いか?) チャールズ・ダーウィンが訪れ、生物進化のデータを収集したことで有名なガラパゴス諸島。1978年に自然遺産第一号に指定されたガラパゴス諸島は、観光地化が進み、外来種の侵入で環境が悪化し、2007年危機遺産に登…

紫色の花たち:園芸種二種

(1)アゲラタム ブルーハワイ 和名がオオカッコウアザミで、ブルーハワイは商品名。アゲラタムはキク科のカッコウアザミ属の植物。アゲラタムは、メキシコやペルーなどの熱帯アメリカ原産で、原産地では宿根草だが、耐寒性がないので春まき一年草として扱わ…

ふるさとを核にして、夢のGreater Myokoへ

ふるさとについて幾つか考えてきました。それらを通じて妙高市がどのようなふるさとなのか、どのような未来妙高が見えるのか、そんなことをスケッチしてみるのも時には楽しいものです。そこで、そのきっかけとして次のような五つの区別を取り上げましょう。 …

ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)

夏の夜に涼やかに一晩だけ咲くのがツキミソウ(月見草)。花びらは咲き始めが白色、朝を迎える頃に淡いピンク色に色づく。太宰治が「富士には、月見草がよく似合ふ」と書いた月見草は黄色で、それはきっと待宵草(マツヨイクサ)のこと。「待てど暮らせど来…

生きることは老いること

生きものは老いるものだと考え、その老いることに何かと介入し、口出しするのが人間である。成長と老化を余りに対照的に捉えることが生きることを知る上での誤りの出発点になっていると捉える人は少なくない。そんな人にとっては、成長と老化は対照的どころ…

ハンゲショウ

梅雨空の中でもハンゲショウ(半夏生、半化粧)の葉は眩しい程に白い。ハンゲショウは、ドクダミ科の多年生植物。随分と変わった名前だが、半夏生(1年の真ん中で、毎年7月2日頃)の頃に花を咲かせるからという説と、葉の一部を残して白く変化する様子から「…

あらためて、故郷とは何だろうか

故郷とは何かと尋ねられると、誰でも何がしかの答えができる。だから、えちご妙高会の懇親会でもよく「ふるさと」が歌われ、人々の心が一つになる、と思われてきた。今回のプログラムにはその「ふるさと」の歌詞がないので、それを思い出してみよう。 ふるさ…

メノンのパラドクスの本性

哲学者の中の哲学者と呼ばれるのがプラトンですが、弟子のアリストテレスが科学者と称されるのとは好対照です。そのプラトンの科学観はピタゴラスと同じように大変神秘的なものです。感覚や知覚でわかる世界は誤りばかりで、理性で知られる世界しか信頼でき…