ホトケノザの花

 ホトケノザの開花期は春ですが、空き地など日当たりのよい場所では通年で花を咲かせます。ホトケノザはシソ科の一年草で、薄紫色の花をつけます(画像)。基本的には秋に芽を出し、越冬して春に花を咲かせます。ホトケノザの名前の由来は、葉が茎を包み込む姿を蓮華座(れんげざ、仏像を載せる蓮華の形の台座)に見立てたことから。

 ホトケノザの花はとても変わった形で、花びらが分かれておらず、鳥のくちばしのような形をしています。これは「唇状花冠」と呼ばれ、シソ科の植物によく見られる形です。上下の唇で雄しべと雌しべを隠すように保護しているのです。花粉を媒介する蝶や蜂が蜜を吸おうと下唇に乗ると、重みで花が開く仕組みになっています。

 春の七草ホトケノザは同じ名前の別な植物で、道端に生えている、食べられないホトケノザとは違います。春の七草ホトケノザは「コオニタビラコ」のことで、昔は同じホトケノザという名前で呼ばれていました。

ホトケノザによく似たヒメオドリコソウはヨーロッパが原産で、明治時代の中頃に渡来し、いまでは各地に広がっている。同じオドリコソウ属にオドリコソウ(踊子草)があるが、こちらは在来種。