ホトケノザの花

 何気なく草の刈られた空き地を見ると、あちこちにホトケノザ(仏の座)が花をつけている。ホトケノザの開花期は春だが、日当たりがよい場所では通年花を咲かせる。ホトケノザはシソ科の一年草で、薄紫色の花をつける(画像)。基本的には秋に芽を出し、越冬して春に花を咲かせる。ホトケノザの名前の由来は、葉が茎を包み込む姿が蓮華座(れんげざ、仏像を載せる蓮華の形の台座)に見立てた事から。

 ところで、春の七草の「ホトケノザ」は同じ名前の別な植物を指す。道端に生えているホトケノザは食べられない。春の七草ホトケノザは「コオニタビラコ」のことで、昔は同じホトケノザという名前で呼ばれていた。

ホトケノザの花はとても変わった形をしている。花びらが分かれておらず、鳥のくちばしのような形をしている。これは「唇状花冠」と呼ばれ、シソ科の植物によく見られる形である。上下の唇で雄しべと雌しべを隠すように保護している。花粉を媒介する蝶や蜂が蜜を吸おうと下唇に乗ると、重みで花が開く仕組みになっている。

f:id:huukyou:20211014035151j:plain

f:id:huukyou:20211014035211j:plain

f:id:huukyou:20211014035226j:plain