師走の虫たちを見ながら…

 私がかろうじて見ることのできる小さな世界に小さな生き物がいる。観察者としての私は見るだけで、彼らを壊すことは簡単にできるが、彼らを理解することはまずもって不可能だと強く感じる。ものを作ったり、壊したりすることができても、それと意思疎通ができているかどうかはまるで別問題で、殺人は簡単でも仲直りは厄介ということになる。

 盲目でも壊せるが、盲目では見ることができない。知らなくても壊せるが、知らないと相手のことがわからない。わかり、わかり合うことは今のところ神業。

*ウスモンミドリカスミカメ(淡い黄緑色をした小型カスミカメムシ)、ホソヒメガガンボ(ハエの仲間、一緒にいるのはガの幼虫と思われるが、名前はわからない)