晩秋のタケニグサの花

 タケニグサ(竹似草、あるいは竹煮草)はケシ科の多年草で、湾岸地域でもあちこちに繁茂しています。とはいえ、空き地が次第に減り、次第にその個体数は減っています。「タケニグサ」の名は茎が中空で竹に似ているから「竹似草」、あるいは、竹と一緒に煮ると、竹が柔らかくなり、細工しやすくなることから「竹煮草」。

 葉は広卵形をしたカシワ葉で、葉縁に切れ込みがあり、イチジクの葉に似ています(画像)。粟粒状の白花を茎先の大きな円錐花序につけ、下から徐々に開花していくのが特徴です(画像)。ツボミが割れると、糸のように細い花弁が開き、花びらが散るとオレンジ色の花柱が残ります。風が吹くと、その果実が揺れて互いに触れ、その時、音が出ます。その音が何ごとか囁いているようであるところから、「ササヤキグサ」の別名があります。

 タケニグサは先駆(=パイオニア)植物の一つで、高さ1-2mになり、茎を切ると濃い橙黄色の汁が出ます。汁には有毒なプロトピンやケレリトリンなどのアルカロイドが含まれ、誤食すると嘔吐や昏睡、脈拍や体温低下、呼吸麻痺などを引き起こします。

*タケニグサの開花は6月から8月というのがたいていの説明ですが、秋になっても花をつけていて、今年は11月末でも花を見ることができます。これも気候変動のせいかもしれません。