ススキと枯れススキ

 ススキ(芒、薄)は尾花(おばな)、茅(かや、萱)とも言われ、秋の七草の一つ。また、「枯れ尾花、枯れすすき」もほぼ同義のように使われています。秋艸道人会津八一の句に「嫁とりし狐が顔や枯尾花」がありますが、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という句は多くの人が知っています。幽霊と思って見たものが、実は枯れた「すすき」だったということで、ものをこわごわ眺めていると、実際とは違う、誤ったものに見えてしまうという意味です。江戸時代の横井也有(やゆう)の「化け物の正体見たり枯れ尾花」に由来します。

 さて、こんな前置きの下で、二枚の画像を見て、いずれが枯れ尾花か選んでみて下さい。枯れススキがあれば、枯れていないススキがある筈だと子供のように考えることに異存はないのですが、ススキの穂と枯れススキの穂の違いは見分けにくく、似たような印象を与えるという大人の意見も頷ける、というのが(子供ではなく)大人の判断のようです。