秋のヒメリンゴの実

 ヒメリンゴの別名はイヌリンゴ(犬林檎)、ミカイドウ(実海棠)。バラ科の落葉高木で、セイヨウリンゴとズミの雑種と言われているが、その起源はよくわからない。4月から6月にかけて咲く花は、最初は薄いピンク色で、満開時には白くなる。その後、すぐに小さな実がつく。実は木から落ちにくく、たわわに実る。実は頑丈で、11月に入っても実の多くがまだすっかり赤くはならず、落ちずに残っている。地球温暖化のためか、その実はいつもより青味が目立つ(画像は赤い実を探して撮った)。暑ければ、実はすぐに赤くなると思ってしまうのだが…元気で、頑固な実だというのが老人の素直な印象である。

 すぐ横にあるカリンの実も5月には実をつけ始めていたので、長い間木についたままで、誰も採らないためか、11月になってもそのまま残っている。何と半年以上実がついたまま。ヒメリンゴの実と互いにその長命さを競い合っているかのようにみえ、不思議な気持ちになる。

 高温の夏が長くなり、日本の四季が変わりつつある中で、植物たちは私たち以上に大変なのかも知れない。自然の規則的な変化に応じて反応する植物には変動は堪えるはずだが、彼らは直接語ってはくれない。私たちがそれらを見つけるしかない。

カリン