タケニグサの花

 ケシ科のタケニグサは日本を含む東南アジア各地に見られる多年草。湾岸地域でもあちこちで見ることができる。「タケニグサ」という名前は中空の茎や冬枯れの様子が竹に似ることに由来する説と、竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなることに由来する説とがある。だが、竹に似ておらず、一緒に似ても竹は柔らかくならない。

 タケニグサの開花は夏だが、今年はまだ咲いている。茎の先端に直径1センチほどの白い小花がたくさん咲く。花に花弁はなく、多数の雄しべと雌しべ1個があり、萼は開花時に散り落ちる。茎は中が空で、高さは2m以上に育つ。葉や茎の形状がキクに似るため、チャンパギクという別名がある。

 葉や茎を切ると出てくるオレンジ色の苦汁はアルカロイド物質を含み、誤って口にすると大脳中枢を麻痺させ、脳貧血を引き起こす。そのため、この汁を害虫駆除に用いた。