キキョウの花

 暑いまま9月に入りましたが、キキョウは「秋の七草」の一つ。漢名の「桔梗」を音読みしたら「ききょう」で、花の色は紫、青、または白。桔梗色は濃い青紫色のことです。その清楚な姿や色から武士たちに好まれたようで、家紋として使われ、江戸城には「桔梗の間」や「桔梗門」などがあります。また、万葉集に出てくる「あさがお」は、この桔梗のことだと言われています。

 子供の頃から青紫と白のキキョウの花が好きでしたが、星形に開く一重咲きが思い浮かびます(画像)。しかし、今では八重咲のキキョウが栽培され、斑(ふ)入りのキキョウもあります。

 キキョウで思い出すのは、祖父母が愛飲していた煙管タバコの「ききょう」です。何度かこっそりと試してみたのですが、その味はとても不味く、美味しそうに吸う二人の姿は謎でした。でも、祖父母が吸っていた「ききょう」の図案は好きでした。当時の煙管タバコのもう一つの銘柄が「みのり」で、共に秋に関連した名前で、対をなしていました。