アサギリソウ(朝霧草)の葉

 キク科のアサギリソウは細かい繊細なシルバーリーフが美しい多年草。「アサギリソウ」の名前はこんもりとした銀色の草姿が朝霧の煙っているように見えることに由来する。株がある程度育つと、ヨモギの花に似た形の黄緑色の花を咲かせる。

 アサギリソウは北陸地方や東北地方以北の岩場に見られるヨモギの仲間。全体に白い毛で覆われ、きらきらと光に反射する銀緑色の葉が美しく、花より草姿や風情を楽しむ植物である。絵心のない私でも、朝霧が出ていなくても、アサギリソウの葉を見るとスケッチしたくなるのである。特に、霧の中で思い起こすのが長谷川等伯の「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」。