ノイバラ:もう一つの野生のバラ

 ノイバラ(野茨)はバラ科の落葉性のつる性低木で、別名はノバラ(野薔薇)。日本のノバラの代表的な種です。ノイバラの開花は5~6月で、画像のような白い花が円錐状に並んで咲きます。花の直径は2~3センチで、ナニワノイバラより小さいのですが、芳香は強く、香水にも使われます。花弁は5枚あり、その先端はくぼんでいます。

 ノイバラは沖縄を除く日本全国の野原や空き地に見られる野生のバラで、「ノバラ」として親しまれるものの代表的なものです。「イバラ」は棘のある植物全般を示す総称です。

ゲーテの詩「野ばら」にシューベルト、ウェルナー、シューマンらによって曲が作られています。

 童(わらべ)はみたり 野なかの薔薇(ばら)

 清らに咲ける その色愛(め)でつ

 飽かずながむ

 紅(くれない)におう 野なかの薔薇

 (近藤 朔風訳詞)