ハナカイドウ(花海棠)の花

 湾岸地域で桜と並んで目立つとなればハナカイドウで、その花の美しさは唐の玄宗皇帝が酔って眠る楊貴妃を花海棠に喩えたように、昔から美人の代名詞として使われてきました。庭に新緑が目立ち始める頃に、枝を埋めるように咲き出すピンク(淡紅色)の花はとても印象的です(画像)。ハナカイドウもちょうど今が見頃です。

 ハナカイドウはバラ科リンゴ属の落葉低木で、江戸時代初期に中国から日本に渡来しました。それより前の15世紀に渡来した、実の大きな「実海棠(みかいどう)」に対して、花が美しいので「花海棠」と命名されました。別名はスイシカイドウ(垂糸海棠)で、花茎を長く伸ばして垂れ下がるように咲く様子から名づけられたようで、開花前の赤いつぼみが垂れ下がる姿は、サクランボによく似ています。

*ハナカイドウの別名がカイドウ、スイシカイドウ、ナンキンカイドウ