マルバ スボバータ

  画像の花がゼニアオイの仲間だと推測し、調べた結果、アオイ科のマルバ スボバータ(Malva subovata)とわかったのがほぼ1年前でした。そこでは次のように記しました。「Malvaはゼニアオイ属を指していて、例えば、ウスベニアオイの学名はMalva sylvestrisです。ゼニアオイ属はマロウと呼ばれていて、マルバ スボバータは地中海の海岸に自生するアオイ科の顕花植物の一種と説明されています。マルバ スボバータは山や森に自生し、強い繁殖力をもつのが特徴です。成長が早く、園芸用としても使われていて、それが有明アリーナに植えられている理由かも知れません。」(一部改変)

 このマルバ スボバータが今年もまた咲き始めています。花は淡紫色で濃紫色の筋があります(画像)。よく似た花をつけるのがウスベニアオイですが、ゼニアオイとはかなり違います。では、Malva subovataの和名は何なのでしょうか。昨年以来気になっていたことです。Malva sylvestrisの和名が「ウスベニアオイ」ですから、そのような和名を探したのですが、不思議なことに見つかりません。和名を知らないと、即困ることではないのですが、もしあるとすれば、知りたくなるのが人情というもので、昨年呼びかけたのですが、答えはありませんでした。

 学名はあるが、和名がない場合、種名のラテン語読み、つまり、ほぼローマ字読みすればいいというのが通例になっています。ですから、ラテン語名をそのままローマ字読みにしたのが「マルバ スボバータ」です。何とも味気なく、和名をつけたくなるのがこれまた人情というものです。でも、人情も変わるもので、使い慣れると「マルバ スボバータ」も私の頭の中では和名擬きに変わっています。