キバナタマスダレとツユムシの秋 

 キバナタマスダレ(黄花玉簾)は大正時代にフランスから渡来した外来種で、鉢や花壇などで観賞用に栽培されています。秋の到来を告げるようにクロッカスによく似た黄色い花を咲かせますが、クロッカスとは異なり、花は平開しません。キバナタマスダレはヨーロッパでは絶滅が危惧されています。

 キバナタマスダレペルシャからコーカサス地方などに自生するヒガンバナ科の球根植物で、学名はSternbergia lutea。ルテア、あるいはキバナタマスダレタマスダレに似た花形ですが、花色はタマスダレと違って白ではなく、純黄色のすっきりした花色です(画像)。開花時期は10月です。

 バッタ目ツユムシ科のツユムシ(露虫、Phaneroptera falcata)は全身が綺麗な淡緑色の、やや小さめのキリギリスの仲間です。和名はその弱々しい外見からついたと思われます。山地や平地の草むらで見られ、草食性の昆虫です。ツユムシは夏から秋にかけてみられます。

 そのツユムシがキバナタマスダレの花にいるのを偶然に見つけました。きっとキバナタマスダレの花粉を食べに来たのだと思います。10月に入り、秋がやって来ています。