タマスダレの花

 キバナタマスダレについて記しましたが、タマスダレも夏から秋にかけて咲き誇っています。タマスダレは南米原産の多年生の球根植物で、日本への渡来はヨーロッパからインドを経て1871年頃です。タマスダレの名は純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てたことに由来します。別名はレインリリー(雨ユリ)。湾岸地域ではタマスダレは半ば野生化しています。

 タマスダレの花は直径4-5㎝ほどの純白の花で、花弁は6枚で雄しべは黄色くてよく目立ち、長く伸びた花茎の先端に一つだけ上向きに咲かせます(画像)。日が当たる頃に開きはじめ、夕方になると閉じ、2~3日ほど咲き続けます。タマスダレの花は主に初夏と初秋によく咲きます。

 タマスダレヒガンバナ科の植物なので全体に毒性があります。鱗茎や葉にリコリンというアルカロイド成分が含まれていて、誤食すると嘔吐、痙攣などを引き起こします。

*彼岸(ひがん)は春分秋分を中日(ちゅうにち)とし、前後各3日を合わせた各7日間(1年で計14日間)で、今年は既に過ぎました。彼岸は「河の向こう岸」という意味で、仏教では悟りの世界が彼岸で、迷いや煩悩に満ちた私たちの住む世界は此岸(しがん)です。では、私たちは今どちらの意味の「彼岸」により親しんでいるでしょうか。