タマスダレの花

 タマスダレは南米原産の多年生の球根植物で、日本への渡来はヨーロッパからインドを経て1871年頃です。タマスダレの名は純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てたことに由来します。タマスダレは現在でも日本各地に見られ、半ば野生化しています。

 タマスダレの花は直径4-5㎝ほどの純白の花で、花弁は6枚で雄しべは黄色くてよく目立ち、長さ20㎝ほど伸びた花茎の頂点に一つだけ上向きに咲かせます(画像)。日が当たる頃に開きはじめ、夕方になると閉じて2~3日ほど咲き続けます。タマスダレの花の咲く時期は5月下旬頃から10月頃にかけてですが、主に初夏と初秋によく咲きます。

 タマスダレヒガンバナ科の植物なので全体に毒性があります。鱗茎や葉にリコリンというアルカロイド成分が含まれていて、誤食すると嘔吐、痙攣などを引き起こします。

*「玉簾」と聞くと、私が連想するのは「南京玉簾(なんきんたますだれ)」で、日本の大道芸の一つです。