ソライロアサガオの花

 アサガオは江戸時代に多様な園芸種が生まれました。そのためか、子供の頃はとても日本的な植物だと思っていました。子供の私には夏の朝はアサガオの朝だったのですが、世界には日本のアサガオを優に凌駕するアサガオがあり、老人になって初めてそれらを知ったためか、とても新鮮に思えてならないのです。

 ソライロアサガオヘブンリーブルー)の花弁に含まれるアントシアニンヘブンリーブルーアントシアニンと呼ばれています。ソライロアサガオはつぼみの時には赤紫色、花が開くにつれ青色になります(画像)。このときの花弁細胞の液胞内のpHはつぼみの時が約6.6(弱酸性)で、花が開くにつれてpHが上昇し、開花した状態では7.7(アルカリ性)になります。ですから、pHの変化によって色の変化が生じると考えられます。

 色を楽しみ、味わう側には発色の仕組みはなくても構わない知識、色をつくり、それを使って表現しようとする側には発色の仕組みは不可欠な知識、とまとめることができても、子供の頃にヘブンリーブルーを見たら、一体どんな反応をしていたのか、今の私には想像しかできませんが、それが楽しいのです。