ダウクス・カロタ「ダーラ」の花

 ダウクス・カロタは野菜のニンジンと同じ種類の植物。根が肥大せずに花を観賞するものをノラニンジン、ダウクスなどと呼んでいます。ダウクス・カロタ「ダーラ」は通常のノラニンジン(野良人参、画像)が白花なのに対し、黒紫の花が咲く品種です。咲き始めから咲き終わりまでの間に、薄いピンクから黒まで花色が変わっていきます。

 ノラニンジンはセリ科ニンジン属の一年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物です。湾岸地域でもあちこちで見ることができます。ニンジンは中央アジアアフガニスタンが原産。現在の日本の品種の多くは西洋系のニンジンで、東洋系「金時」が僅かだけ栽培されています。和名の「ノラニンジン」は野生のニンジンという意味。ノラニンジンの草丈は30~60㎝程度で、白色5弁の小花を多数つけます。食用ニンジンと違って、直根の太さは1㎝に満たず、栽培されているニンジンの逸失種と説明されています。

 作物であるニンジンが逸失し、野生化したのがノラニンジンで、そのノラニンジンの園芸種がダウクス・カロタ「ダーラ」ということになります。2016年にニンジンの全ゲノム配列が解読され、現在知られている野菜のゲノムアセンブリの中で最も完成度の高いものが得られました。ニンジンの進化的起源だけでなく、ノラニンジンの起源も明らかになることを期待します。

ラニンジン、アカスジカメムシ