雪の中のアオキの赤くなった実は子供の頃の記憶として今でも鮮明に覚えています。秋もつけた青い実が次第に色づいていき、正月にはすっかり赤くなっていました。
アオキ(青木)はアオキ属の常緑低木。和名の由来は、常緑で枝も青い(緑)ことから。葉は大きいものでは20cm程度になります。葉の形は通常楕円形で、縁には小さな鋸歯があります。その実は卵形の液果で、種子を1個含み、秋から冬に赤く熟します(画像)。大きさは2cmほどで、春までには鳥に食べられるか、落ちてしまいます。熟して一か月ほどで採食されるようで、ヒヨドリの渡りの時期と一致します。
アオキは地味ながら、日陰に強く、庭木としての使い勝手が良いため、現在では自然のものより、人間に管理されている数の方が多いほど。また、花の少ない初冬に実をつけるため、江戸の昔から盛んに栽培されてきました。実際、湾岸地域でもあちこちに植えられ、すっかりポピュラーになっています。