もう一つの、変わったサルビア

 サルビアについてもう一つ、サルビア・ヌタンス(Salvia nutans)という花の咲き方がユニークな原種を記します。名前のヌタンスは「うなだれる」から由来し、長く伸びる茎からバイオレットブルーの花穂を下垂させるという、他のサルビアにはない珍しい特徴を持っています。

 サルビア・ヌタンスは東欧諸国(バルカン半島ハンガリールーマニア)から,シベリアを含むロシア南西部まで広範囲に分布するサルビアです.花の咲き方は大変ユニークです.枝分かれの無い細い弱々しい茎が長く伸びてくるのですが,この茎の先の花序は下向きに垂れています。花も逆さまになり、最初は上唇部がおしべとめしべを包む形になっていて、花粉が出る頃には開いてきます。虫媒花ですので、フジの花と似た作戦を持っているようです。