萌黄色のサクラの花

 昨日は日曜日で、多くの人が最後の花見を楽しんでいた。何気なく桜の花を見比べていると、葉の色のような花をつける桜の木があるではないか。調べてみると、萌黄色(薄緑色)の花を咲かせるギョイコウ(御衣黄)という八重桜の品種。花びらが薄緑色をしているのは葉緑素のためで、葉から進化した花が先祖返りしたかのようである。

 日本の桜は600種類以上あっても、薄緑色の花を咲かせるのはギョイコウだけ。咲き始めは緑色で、次第に緑色は黄緑色になり、やがて中心部が筋状に赤くなる。

 ギョイコウは京都の仁和寺で栽培されたのが始まりとされ、人為交配による。片親はオオシマザクラ系の桜だが、もう片方の桜は不明。

*「御衣黄」の由来は貴族の衣服の萌黄色に近いため