レッドロビンの赤い新葉

 新緑の中で「万緑の中や吾子の歯生え初むる」(中村草田男)という句を思い出す人が多いのではないでしょうか。ところが、レッドロビンの新芽は緑色ではなく、紅色が美しく、他の植物の緑色と鮮やかなコントラストを生み出してくれます。ですから、一句詠むなら、「早春の紅かなめもち葉は赤く」とでもなるのでしょう。他の緑の庭木とは風情が異なることから、垣根に利用されることが多いようです。湾岸地域の生垣にも多用され、あちこちで赤い新芽が目立ち出しています。

 レッドロビンはカナメモチの変種で、カナメモチとオオカナメモチの交雑種から育成された園芸品種です。「ベニカナメモチ(紅要黐)」はその別名。「レッドロビン」は赤いコマドリのこと。新芽が赤いのは新しい葉の展開のスピードに比べて、葉緑素の形成が遅いため。時間が経つと、葉緑素が葉の隅々に行き渡り、赤い葉は緑の葉に変わっていきます。

新緑の中カナメモチ赤く萌え