シレネ・ウニフローラの名残の花

 シレネ・ウニフローラ(Silene uniflora)は学名で、その別名が「ホテイ(布袋)マンテマ」。シレネは西ヨーロッパ及びバルト海沿岸、マデイラ諸島を原産とする半常緑多年草で、ナデシコ科マンテマ属の観賞用の園芸種。

 シレネ・ウニフローラはヨーロッパに分布する耐寒性多年草。伸びた茎の先に釣鐘状の可憐な花を咲かせる(画像)。開花時期は晩春から初夏、花色(萼)は白色や桃色があり、個々の花は花弁が5つで風船のように膨らむ萼から開花する。その花がまだ花壇の端に残っている。

 ホテイマンテマは夏に白い花を咲かせるマンテマの仲間で、ぽってりと丸いガク片が七福神の布袋のお腹に似ている。一方、シロバナマンテマはマンテマの基本種。花弁の白がピンクに変化したものもあるが、それでも名前はシロバナマンテマ。いずれもヨーロッパ原産の帰化植物で、海岸の砂浜や草地、海岸に近い都市の植え込みなどに生える。観賞用に移入されたが、今では広く野生化している。シロバナマンテマは秋に芽生え、4月から5月に花を咲かせる越年草。当然ながら、今年はまだ花を見ていない。上部から花序にかけては白長毛とともに多数の腺毛がある(画像)。

*シロバナマンテマが自然種、ホテイマンテマがその園芸種。マンテマとシロバナマンテマを比べると、マンテマの方が基本種、母種で、シロバナマンテマの方が変種と考えるのが日本語の植物名の常識だが、実際はその反対。

シロバナマンテマ