ものとその名前(3):アカツメクサの別名

 アカツメクサ(赤詰草)あるいはムラサキツメクサ(紫詰草)はマメ科シャジクソウ属の一種で、一般に赤クローバーとも呼ばれます。開花時期は長く、冬でも開花しています。ヨーロッパ原産で、花はクローバー(シロツメクサ)にそっくりですが、色が赤紫色なのと、葉っぱのすぐ上に花が咲くことから区別できます。

 今私たちがよく見るのは、鶏や兎の飼料用として明治時代に輸入したものが野生化したアカツメクサです。シロツメクサもヨーロッパ原産の帰化植物で、クローバーとしてどこでも咲いています。

 白い花が咲くシロツメクサとの対比から、アカツメクサと呼ばれることが多いですが、別の別名はハナゲンゲ、漢字表記は「赤詰草」のほかに「赤漆姑草」があります。

 こうして、アカツメクサムラサキツメクサ、赤クローバー、ハナゲンゲと色んな名前をもち、漢字表記も複数あるとなると、命名したことの意義が削がれ、一意的な指示が困難になります。植物としてのものは一つなのに、その名前が多数あるのも困りものです。

ムラサキツメクサ

アカツメクサ

シロツメクサ

ベニバナツメクサ