タカサゴユリか、それともシンテッポウユリか?

 台湾原産の葉の細いタカサゴユリと、鹿児島県や沖縄県に自生する葉の広いテッポウユリの交雑種がシンテッポウユリタカサゴユリだけでなく、シンテッポウユリも同様に急速に広がっています。そのため、共に生態系被害防止外来種リストに載っています。

 日本在来種のテッポウユリと台湾原産の外来種タカサゴユリを交配させた園芸種がシンテッポウユリで、別名ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)。その結果、どれがタカサゴユリかシンテッポウユリかの線引きが困難となっています。

 一応の区別は次の通りです。テッポウユリの葉は幅広で、花は6月、横向きに咲きます。花被片外側は白色で、雄蕊(花粉)は黄色。シンテッポウユリの姿は様々で、花はやや上向きのものがあります。タカサゴユリの葉は細く、花は8月中旬~9月上旬で、下向きに咲きます。花被片の外側は紫褐色(しかっしょく)を帯び、雄蕊(花粉)は紫褐色です。

 タカサゴユリについて書き、散歩に出て見つけたのが画像のユリの花。花被片の外側は白いままで、テッポウユリやシンテッポウユリの特徴です。全体の特徴はタカサゴユリに近く、シンテッポウユリではないかと思われます。

 ところが、タカサゴユリでも花被片が白いものもあるようで、タカサゴユリとシンテッポウユリの違いは人種の違いのようで、とても厄介です。