ザクロの花

 6月に入り、今年もザクロ(石榴)の花が咲いた。子供の頃、近所にザクロの木があって、その実の酸っぱく、プチプチとした食感が強く記憶に残り、カキやリンゴとは違い、異国のものと直感した記憶が残っている。確かにザクロは西南アジア原産で、日本へは10~11世紀頃渡来。種(タネ)が多いことから、アジアでは昔から子孫繁栄、豊穣のシンボルだった。唯一の女性は「紅一点」と呼ばれるが、これは、王安石がザクロの林の中に咲く花を詠んだ詩から出た言葉。画像の方は紅満点のザクロ。

 子供の私にはザクロやブドウがシルクロードで運ばれてきたエキゾティックな果物だという認識はなかった。ザクロの原産地ペルシャは、現在のイラン、アフガニスタン辺りである。ザクロはイランから地中海沿岸を通り、ヨーロッパへ、そして、 東はシルクロードを経てインド、中国、日本へと渡ってきた。イランでは、昔からザクロが「果実の王様」で、 現在でも至るところで栽培されている。