鬼灯と柘榴

 ホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)は多年草で、淡い黄色の花を6、7月頃咲かせます。この開花時期にあわせて日本各地で「ほおずき市」が開かれます。学生の頃、通学路だった浅草寺ほおずき市は有名ですが、それも今年は中止。7月13日にホオズキのことを記しました。ホオズキの実は熟すとオレンジ色になります。「ほおずき」は観賞用のものと、食用にされるものの二つに分かれます。生薬に用いられるのは、観賞用のホオズキホオズキは東アジア原産で、平安時代の頃から薬用に利用され、江戸時代には薬用だけでなく子供の玩具として愛用されました。一方、食用ほおずきは中南米が原産。メキシコでは、原産のトマトよりもずっと歴史が古い食べ物のようです。私が知るホオズキは観賞用の方で、中の実は捨て、風船代わりに遊んだ記憶があると記しました。

 鬼灯と並んで私の記憶に残るのが柘榴。旧約聖書や古代の医学書などにも登場しているザクロは、5000年以上前から栽培されていました。昔から健康や美容によいとされており、好んで食べられていたようです。原産地であるイランからシルクロードを通って中国やヨーロッパに伝わり、日本へは平安時代に渡来したといわれています。ザクロの実は不規則に裂けています。種が多いことから、アジアでは昔から子孫繁栄、豊穣のシンボルでした。子供の頃、近くの家にザクロの樹があり、その実を食べたことが今でもザクロの樹を見る度に条件反射の如く頭を過ぎります。食べ頃は10月。特別にうまいという訳ではないのですが、口の中で弾けるような食感が堪りません。そして、爽やかな甘味と酸味があります。

f:id:huukyou:20200713061846j:plain

 

f:id:huukyou:20200715033354j:plain

f:id:huukyou:20200715033436j:plain