カクレミノの葉の形状から

 昨日書いたカクレミノのことが後を引き、「葉」は生き物にとってどのような部位なのだろうか、と哲学っぽい問いが浮び、常套的に、

(1)葉は生き物にとってどのような機能、意味をもつのか、

(2)葉は植物にとってどのような役割をもつのか、

(3)植物の葉はどのような幾何学的形状をもつのか、

といった異なる問いとなった。どれも哲学っぽく、葉をもたない私たちには他人事の問いに思えなくもない。だが、この種の知識に興味をもち、追求すると、例えばフラクタルの応用となり、新しい生物形態学までもつくり出せることにつながった。

 そんな一般的、抽象的な問いを離れ、カクレミノの葉の変化を再確認してみた。図鑑によれば、「幼木では深く3~5裂し、生長するにつれ、切れ込みは浅くなり、全縁の葉と3裂した葉が混ざるようになる。先端につく葉は葉柄は切れ込みが浅いが、下の葉ほど切れ込みが深い傾向がある。大きく生長した葉では、質感は同じであるものの、全縁で長楕円形の葉ばかりとなる」とあり、5,6本のカクレミノの葉のつき方を調べたが、それほど規則的ではなく、新しい葉に3裂、3裂になれなかった2裂が多く、多くの葉は全縁の葉だった(画像)。また、5裂の葉は見つからなかった。

 近くのヒイラギモクセイの花が匂っていて、その葉の特徴も気になり出す始末。葉は楕円形または楕円形で、葉の付き方は対生。縁は針状に鋭く尖った鋸歯があり、葉先も針状に尖る。樹齢が経つと鋸歯が低くなり、全縁になる葉もあるとのこと。ヒイラギモクセイは柊(ひいらぎ)と銀木犀(ぎんもくせい)との雑種。キンモクセイの葉よりずっとギザギザしていて、裂け方が激しい。そんなヒイラギモクセイの葉でも幼葉は全縁(画像)。

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上が若葉で3裂、下の葉は全縁

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ヒイラギモクセイ

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全縁の若葉

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フラクタル図形?