アカメガシワ:子供の頃からいつも身近に見てきた先駆種

 アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)はどこにでもある割には名前は知られていないようだ。落葉高木で、山野に生えており、春にでる若葉は紅色をしている。雌雄異株で、樹高は5 - 10メートルほどに達する。葉は赤く長い葉柄をつけて互生する。花期は6 - 7月で、枝先に穂になって小さな花を多数つけ、雄花には黄色の葯が目立つ(画像は雄花)。雌花は雄花よりも小さく、花数が少ない。果実は軟針がある三角状偏球形で、多数つく(画像は幼果)。

 アカメガシワは子供の頃から知っている。いつも見ていたせいか、好奇心が薄れ、名前を調べる気にもならなかった。私がその名前を知ったのは中年になってから。アカメガシワクサギなどと共に、草地や崩壊地などの新しくできた空き地に最初に生える先駆種の一つである。いずれも成長が早いのだが、樹形はまとまらず、森林の遷移によって消えていく。最近記したナンキンハゼはアカメガシワに似て雌雄異株、果実をつけるが、私の記憶の中ではいずれも先駆的である。だが、ナンキンハゼは外来種で野生化し、シカが食べないため、各地で増えて、心配されている。

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