クロッカスの花

 クロッカス・トマシニアヌス(Crocus tommasinianus)は春先に花を咲かせます。花の色はライラックから濃い紫色まで様々あります。クロッカスはブルガリアハンガリーアルバニア、旧ユーゴスラビア原産の多年草です。開花時期は晩冬から春で、個々の花は花被片が6つあります(画像)。

 晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランCrocus sativus)に対し、早春に咲くクロッカスは「春サフラン、花サフラン」などと呼ばれてきました。花はほとんど地上すれすれの所に咲きます。クロッカスはアヤメ科クロッカス属の総称で、最も古くから栽培されてきたのがサフランサフランはパエリアには欠かせない香辛料です。

 ところが、クロッカスには秋咲きのものもあり、その名の通り10月下旬から11月になって花が咲き、クロッカス・コンカラーと呼ばれています。同じ時期にサフランも咲きますが、どちらもライラックブルーの花色で、よく似ています。二つの違いは、コンカラーの雌しべは花の真ん中に固まり、黄色ですが、サフランの長い雌しべは赤く、三本あります。この雌しべからサフランができますが、1gつくるのに400本ほどの雌しべが必要で、とても高価です。

*最後の二枚の画像はサフランの長く赤い雌しべと、既に記したミニアイリスとの大きさの比較です。