二つのカンパニュラ

 ヤマホタルブクロ(山蛍袋、学名Campanula punctata var. hondoensis)は日本原産で、本州の関東、中部、近畿地方に分布するホタルブクロの変種です。基本種であるホタルブクロは中国やロシアにも分布しますが、本種は日本固有の変種です。

 ホタルブクロの萼片の間には付属体が付いていますが、ヤマホタルブクロには付属体が無く、小さく膨らみます。キキョウ科ホタルブクロ属の耐寒性多年草。本州の山地や林縁に自生します。草丈は30〜80 cmです。「ホタルブクロ」という名前は蛍を採集して入れるのに使われたことによります。初夏に穂状花序を伸ばし、赤紫色、淡紅色、白色などの花を咲かせます。

 カンパニュラ・ラプンクロイデス(Campanula rapunculoides)の和名はハタザオキキョウ(旗竿桔梗)。ヨーロッパからシベリア西部が原産。日本へは大正時代に観賞植物として導入されました。草地や牧草地、野原などに生えます。6月から9月頃に、茎頂にうなずいたような穂状の総状花序をだし、垂れ下がった鮮やかな青紫色の花をいっぱい咲かせます。

 ハタザオキキョウはキキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、サワギキョウに良く似ていますが、花の形が違います。ヨーロッパ原産の帰化植物で、日本には大正時代に入ってきました。ホタルブクロやヤマホタルブクロと同属の外来種で、花期もほぼ同じ頃です。

*最初の3枚の画像がヤマホタルブクロ、残りの画像がハタザオキキョウ