ユキヤナギの花

 4、5年前までは3月に入るとユキヤナギ(雪柳)の花の集団があちこちで見られたのだが、それがすっかり少なくなり、小規模な花の集団しか見られなくなった。これは私だけの印象に過ぎないのかも知れないが、集団の美を見る機会が減ると、「ユキヤナギは集合した花が美しいのか、それとも数輪の美しさなのか?」という問いが浮かび上がってくる(画像を見比べ、答えを探すのも一興か)。

 とはいえ、軍配はユキヤナギの花の集団美にあがるだろう。ユキヤナギは枝垂れた枝先の長い穂にたくさんの花を咲かせ、辺りを白一色に変えてしまう。和名は葉がヤナギに似て、白い多数の花が雪をかぶったように見えることからつけられた。中国名は「噴雪花」、名前の通り満開時は株全体が雪をかぶったように花で埋まる。