コゴメイヌノフグリの花

 コゴメイヌノフグリは「小米犬陰嚢」と書くが、湾岸地域では近縁種のオオイヌノフグリの花があちこちで見られる。イヌノフグリも含め、どれもオオバコ科クワガタソウ属の植物。イヌノフグリはかつて路傍や畑の畦道などで普通に見られたようだが、オオイヌノフグリにその生育地を奪われ、今では絶滅危惧II類(VU)に指定されている。

 コゴメイヌノフグリは元来地中海沿岸からユーラシア大陸が原産地で、畑地や路傍に咲く一年草、あるいは二年草。1960年頃から小石川植物園で栽培され、それが逸出し、70年頃には東京都内で野生化したと言われている。確かにオオイヌノフグリに比べると、個体数は随分少ないようである。白い小さな花から「小米」が名前の先につけられた。

 コゴメイヌノフグリは3月から4月に開花し、白い小さな4弁花で茎葉は段々状になっている。オオイヌノフグリより花は小さく、老眼の私には見えにくいが、道端にしゃがみこめば、しっかり見ることができる。