ものとその名前(1)

シンビジウムアンスリウムグズマニア

 ビルの傍の花壇にあったのがシンビジウム。園芸種に共通した、造られた美しさが感じられ、それは野山で見つかる感動とは違うと思うのは私だけではない筈です。ラン科のシンビジウムは熱帯アジアを中心として、日本からオーストラリアまでの広い範囲に60~70種ほどが分布しています。

 サトイモ(里芋)科のアンスリウムの和名は紅団扇(べにうちわ)、ギリシャ語で「尾のような花」という意味。熱帯アメリカ原産で、一見造花のようです。ツヤのあるハート形の苞(ほう)から、棒状の花序が突き出たユニークなフォルムが特徴。

 グズマニアは、中米から南米の熱帯雨林原産で、パイナップル科の多年草。赤い花のように見えているものは苞で、実際の花は小さく、花は白か黄色で苞間に咲きます。苞色は、黄色や赤、赤紫、橙などがあります。

 老いた私にはこれら三つの植物の名前を憶えることは厄介なことで、憶えたと思ってもすぐに忘れるのです。何度も憶えることと忘れることを繰り返し続けるのです。でも、これらの植物を私なりに文献で調べ、特徴を知ることは名前を忘れることほどの障害は感じません。それら植物を知ることとそれらの名前を憶えることはとても違うように思えます。「科学的に知ることと名前を知ること」の間には何か違いがあるように思えてなりません。そこで「知ること」、つまり知識と名前について見直してみましょう。

シンビジウム

アンスリウム

グズマニア