シシユズの黄色い実

 子供の頃に親戚の家で見た大きなユズの木とたくさんの実の強烈な印象は今でもよく憶えています。それと似た経験をしたのが5年ほど前のシシユズとの出遭いで、それ以来毎年実をつけるシシユズを見てきました。その形とサイズにもすっかり慣れました。画像は緑の実、色がつき出した実、そして、現在の黄色の実です。

 シシユズ(獅子柚子)またはオニユズ(鬼柚子)は実はユズではなく、ブンタン(文旦)の仲間です。そのためか、ユズのような強い香りはなく、ほのかに柑橘類の香りがする程度。とても大きな実で、直径が20㎝前後にもなります。そのため、「鬼柚子」、「獅子柚子」と呼ばれてきました。

 シシユズは皮が厚く、表面が凸凹していて、表皮と果肉の間にはブンタンと同じようにかなり厚く白い綿が詰まっています。シシユズは他の柑橘類のように果肉を楽しむ果物ではなく、果肉だけを食べると、甘味が少なく、酸味も締まりがなく、ボケた味しかしません。

*オニユズとシシユズは違うという説もあるようですが、私は一方しか知らず、二つの名前は同じものを指すとしました。でも、オニユズは普通のユズが鬼目状になり、果汁が少ないものとも言われています。ひょっとすると、二つのユズの違いは「鬼」と「獅子」の違いかも知れません。