ニチニチソウとインパチェンスの白い花

 散歩の途中で花壇を見れば、小さな白い花が幾つも咲いている。ニチニチソウの花で、つい触りたくなるような白い肌をもっている。暫く歩いていると、また白い花が見えてくる。サイズも形もニチニチソウに似ていて、感覚データを処理した私の脳は「またニチニチソウが咲いている」と判断する。それで、何の支障もなく、ことは過ぎていく筈なのだが、何か気になる。気になれば、見比べてみたくなるのが人の常。戻って、ニチニチソウを確認すると、確かによく似ているが、同じとも断定できない。私の視覚など頼りにならないのは経験的によく知っている。そこで、スマホで画像を撮り、家に持ち帰り、調べるというお決まりの行動となる。

 その結果、後で見たのはインパチェンスと判明。花の中心に小さな突起があるのがニチニチソウの花との違い。そんな拘りを無視すれば、共に夏の白い可愛い花。正しいことに拘泥しなければ、世は平穏ということか、などと納得できない警句を思い浮かべたりしてしまう。暑い夏の午後である。

*画像の中の花がニチニチソウインパチェンスか同定してみよう。

*川柳

拘りを 捨てれば夏の 白い花

正しさに 拘り過ぎて 暑さ増す

夏花の 差異に拘る 人の性