夏から秋にかけてつける花穂が、犬の尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ、狗(犬)尾草)が転じてエノコログサと呼ばれるようになった。また、ネコジャラシ(猫じゃらし)の俗称は、花穂を猫の視界で振ると、猫がじゃれつくことから。英語ではエノコログサ属の植物を Foxtail grass と呼んでいる。つまり、キツネの尻尾草である。
エノコログサは世界の温帯から暖帯にかけて広く分布する一年草。アレロパシー物質を分泌するとの報告もある。刺毛が紫色のものはムラサキエノコロとして区別し、エノコログサの変種とすることがある。画像のように混生する場合も多い。エノコログサ、アキノエノコログサ、キンエノコロ、コツブキンエノコロ、ムラサキエノコログサなどがある。
画像はエノコログサとムラサキエノコログサで、ムラサキエノコログサの小穂の剛毛が紫褐色なこと以外はエノコログサと同じである。
かつて主食とされていた粟はエノコログサから作りだされたとされ、食糧確保という点からその遺伝子が研究されている。