ノウゼンカズラの花

 ノウゼンカズラ凌霄花)はノウゼンカズラ科の落葉性の木。夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着して蔓を伸ばす。中国原産で、平安時代に日本に渡来したらしい。オレンジ色の派手な花はラッパ形で、遠くからでも結構目立つ。花の盛りは盛夏だが、初秋まで次々と花をつける。『本草和名』(918年)に既に掲載されている。

 一方、アメリノウゼンカズラは近年よく栽培されている近縁種。花の赤みが濃く、筒部が長い。トランペットの広がりが小さいので、別名コノウゼンカズラとも呼ばれている。こちらは北アメリカ原産で、ケンタッキー州の州花。ノウゼンカズラの実は極めてなりにくいが、アメリノウゼンカズラの実はなりやすいという。

 ノウゼンカズラの名前の由来は、古名の「のせう」が変化して「のうぜん」になったとも、「凌霄」の音読み「りょうしょう」が変じて「のしょう」になったとも言われる。「凌」は「しのぐ」、「霄」は「そら」の意味で、蔓が木にまといつき、天空を凌ぐほど高く登るところから「凌霄花」となった。

 いずれのノウゼンカズラの英名も花がトランペットの形に似ていることから、Chinese Trumpet Flowerと呼ばれている。色も形も派手な花だが、「カズラ」であるためもあり、なかなか好きになれない植物である。

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ノウゼンカズラ

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ノウゼンカズラ

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アメリノウゼンカズラ

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アメリノウゼンカズラ