エゴノキの秋の花

 湾岸地域の歩道や公園にはエゴノキが多い。5m以下の木が多く、春には白い花を沢山咲かせ、何とも美しい。そのエゴノキに白いものが見え、近づけば何と花が咲いている。むろん、花の数は少なく、僅かなのだが、11月に入って咲いているのは珍しい。この「狂い咲き」はどうして起こったのか、気になり出してしまった。

 春に咲く木の花、例えばサクラは、前の年の夏に花芽を作る。だが、その花芽がすぐに成長を始め、秋に咲いてしまっては種子を実らせるのが寒い冬になり、種子は成長できない。そこで、成長を止めて、春まで休眠する。花芽を休眠させる(つまり、成長を抑制する)ホルモンを作るのが葉。ところが、葉が早くなくなってしまうとそのホルモンができない。ホルモンがないと花芽が成長を始め、これが「狂い咲き」を引き起こす。毛虫に葉を食われて裸になったサクラが、秋に花を咲かせることがよくある。

 そこで、花がついたエゴノキ二本を見ると、確かにほとんど葉が落ちてしまっている。周りの葉のあるエゴノキたちには花がついていない。この事実から上記の理由が納得いくのだが、花の数が少ないのはどうしてかなど疑問が残る。そんな懸念とは別に、秋の空にエゴノキの花は何ともそぐわない。

*画像は花だけを別の角度から撮ったもの

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