秋のアカトンボ

 秋が深まる中、「赤とんぼ」(三木露風作詞、山田耕筰作曲)は日本人なら誰でも知っている歌。青空に映えて群れ飛ぶアカトンボは、秋の訪れを告げる季節の風物詩。そんな情景に浸りながら、へそ曲がりの私は「なぜアカトンボは赤いのか」と問うてしまう。

 鮮やかな赤色のアカトンボは成熟したオスであり、メスや羽化したての未成熟の個体は地味な黄色っぽい色をしている。このような雌雄の体色の違いは、配偶者の認識や縄張り行動などにおいて重要な役割を担っている。赤トンボと称するトンボの種類は沢山あるが、「アキアカネ」は赤トンボとしては目立たないトンボ。オモクロームという色素の酸化還元反応によって、体色が黄色から赤色に変化する。オスが成熟する過程で黄色から赤色へと体色が変化するのは、オモクロームが酸化型から還元型へと変化することによる。

*画像はアキアカネのオスとメス(あるいは未成熟の個体)ということになる。

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アキアカネのオス

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アキアカネのメス、あるいは未成熟個体