今年はセミが多く、あちこちでセミの声が聞こえる。セミは、日本に約30種、世界では約1600種が知られている。どの種類のセミでも、鳴くのは雄だけ。でも、鳴くと言っても、私たちのように口から声を出しているわけではなく、腹で音を出している。セミの雄の腹の中には、発音膜という鳴き声を出すための器官がある。セミの雄が鳴くのは、雌を呼びよせるため。雌は木の幹や枝などに卵を産みつける。
アブラゼミは、7〜8月に、木の幹や枝などに開けた穴に卵を産む。一つの穴に5〜10個の卵を産みつける。卵は、そのまま冬をこして、翌年の6月ころに孵化する。孵化した幼虫は、土の中にもぐり、木の根から養分を吸って成長する。幼虫は、土の中で半年から1年ごとに脱皮をくり返して、しだいに大きくなり、卵から7年目に地上に出る。成虫は約1〜2週間しか生きることができない。こんなセミの一生を知るなら、セミの声がうるさいのも頷けるというものだ。